保育園で働いていると、「保育園では毎日完食おかわり!なのに、家では全然食べてくれなくて…」とご相談を受けることが多いです。
子どもの好き嫌いには、必ず理由があります。保育園の先生たちは、子どもたちが気持ちを切り替え、嫌いなものでも食べて見よう!と思うきっかけづくりが上手です。
この記事では、管理栄養士&保育士が、保育園で実践している好き嫌い克服テクニックを10個ご紹介します。
好き嫌い克服テクニック
- 形を変える
- お腹をすかせる
- 子どもに選んでもらう
- 大人あつかいする
- 盛り付ける量を少なくする
- 食具を変える
- 食べた子を褒める
- 一緒に食べる
- 調理に関わる
- キャラクターの力を借りる
1.形を変える
・茶碗についであるごはんをおにぎりにする。
・小さくちぎる。
・かわいい形に型抜きする。
・果物をジュースにしてみる。
2.お腹をすかせる
・しっかり体を動かして、お腹をすかせる。
・保育園なので、最初に出されたもの以外を食べなければ他には出てこない。→重要!
・離乳食が進まない子は、夜間のミルク量を調整する。
3.子どもに選んでもらう
・どちらを食べるか選んでもらう。
・どの順番で食べるか考えてもらう。
4.大人あつかいする
・小さく切らずに形を残したまま配膳する。
・大人のお皿に盛り付ける。
5.盛り付ける量を少なくする
・最初に盛る量を少なくし、完食する喜びを味わう。
6.食具を変える
・上のクラスが使うスプーンやフォークを使ってみる。
・箸を使ってみる。
・みんなが手づかみで食べているものでも、スプーンやフォークを使ってみる。
7.食べた子を褒める
・少しでも食べられたら、一緒に喜び、褒める。保護者にも伝え、喜びを共有する。
・しっかり食べている子を褒める。
8.一緒に食べる
・友達や大人と一緒に食べる。
9.調理に関わる
・食材に触れたり、簡単なお手伝いをしたり、調理の過程に関わる。
・野菜を育て、収穫して食べてみる。
10.キャラクターの力を借りる
・好きなキャラクターの力を借りる。
例)食べ終わるとお皿のキャラクターが見える。
ぬいぐるみやカードなど準備し、見守ってもらう。
給食ごっこをする。
補足
この他、保育園では同じ献立を月に2回出す、サイクルメニューを採用している園も多いです。食べ慣れていなくて、1回目は食べられなくても、2回目は食べてみよう!という気持ちが芽生えることがあります。繰り返し食卓に並び、周りが美味しそうに食べているのをみると、いつの間にか食べている!ということも少なくありません。
とはいえ、無理強いは禁物です。食事の時間が楽しいことが、一番の好き嫌い克服方法かもしれません。食べてくれないと、ついイライラしてしまうこともあると思いますが、そんな時は思い切って食事を早めに切り上げることも大切です。
代わりのものが出てくると分かっていたら、嫌いなものを食べてみよう!という気持ちになりません。食べ物以外の楽しい遊びに誘って、気持ちを切り替えるとよいですね!
あまり深追いせずに、時間をおくことも効果があります。そして、一口でも食べた時、食べようとした時は、少々大げさなくらい褒めてあげてください。家族以外の人に褒めてもらうことも、効果的です。
嫌いだから食卓にはのせない…のではなく、子どもの好き嫌いを決めつけず、様々な献立を家族で一緒に囲んでみてください。大人が美味しそうに食べていると、つられて食べるようになることもあります。
また、苦手だ…という気持ちを表現できることも大切なことです。是非気持ちを受け止めてあげてください。言葉が発達してくるにつれ、「〇〇だからたべたくないの」という会話ができ、好き嫌いの原因が分かるかもしれません。気持ちを受け止めてもらえたことで安心して、挑戦する勇気が湧いてきます。
まとめ
この記事では、管理栄養士&保育士が、保育園で実践している好き嫌い克服テクニックを10個ご紹介しました。
中には「え?そんなことで?」と、以外に思う内容があったかもしれません。今回ご紹介したテクニックは、保育園で実際に行っていることです。うちでのごはんは好き嫌いが多く、なかなか食べてくれずに困っている…という時に、できるところから試してみてくださいね。うまくいかなかったら、次!今日がだめでも明日!
長い目でみて、いつかおいしく食べられるときがくるといいね!くらいの気持ちがいい塩梅です。大人も子どもも、食事の時間を楽しく過ごせることが一番。子どもに好き嫌いがあることは自然なことです。親のせいだと思って、自分を責めないでくださいね。安心して食べられるごはんが、子どもにとって一番の栄養です。
簡単・おいしい・ほっとする、心と体に優しいごはんを食べて、今日も元気に一日を終えましょう。