こんにちは。
私は管理栄養士であり、保育士としても多くの子どもたちや保護者の方と関わってきました。
現在は子育て広場で、0〜2歳のお子さんを育てるお母さんの離乳食相談をお受けしています。
「そろそろ離乳食を始める時期だと思うけど、何からはじめればよいのか分からない」
「どんな風に進めていけば良いの?」
そんな声を、これまで本当にたくさん聞いてきました。
離乳食は、赤ちゃんが母乳やミルク以外の食べ物に慣れ、少しずつ「食べる力」を身につけていく期間です。
初めての離乳食では、わからないことがたくさんありますよね。
「これで合ってるのかな?」と悩みながら進めている方も多いと思います。
今回は、そんな「離乳食の進め方がわからない」と悩む方へ向けて、
離乳食の全体像と進め方をわかりやすく解説します。
この記事を読むことで、
✔ 離乳食の流れが理解できる
✔ 各時期の進め方がわかる
✔ 安心して離乳食をスタートできる
ようになります。
「離乳食をそろそろ始めたい」「ちゃんと進められるか不安」という方は、ぜひ参考にしてください。
離乳食は「食べる練習」の期間

離乳食は、母乳やミルクをすぐにやめるためのものではありません。
食べ物を口に入れ、飲み込むことに慣れたり、舌や歯ぐきを使って食べる練習をしたりする期間です。
また、さまざまな味や舌ざわりを経験し、食事の楽しさを知ることも大切です。
離乳食を進める中では、次のような力が少しずつ育っていきます。
- 食べ物を口に取り込む力
- 食べ物を飲み込む力
- 舌や歯ぐきを使ってつぶす力
- 食事のリズム
- 自分で食べようとする気持ち
最初からたくさん食べられなくても大丈夫です。
「今日は一口食べられた」「食べ物を口に入れられた」という経験を積み重ねていきましょう。
離乳食を始める時期の目安については、こちらの記事で詳しく紹介しています。
離乳食の進め方ロードマップ
離乳食は、大きく4つの時期に分けて考えます。
| 時期 | 月齢の目安 | 食事回数の目安 | 食べ物の固さ | 主な目標 |
|---|---|---|---|---|
| 離乳初期 | 生後5〜6か月頃 | 1回から2回へ | なめらかにすりつぶした状態 | 飲み込むことに慣れる |
| 離乳中期 | 生後7〜8か月頃 | 2回 | 舌でつぶせる固さ | 舌でつぶして食べる |
| 離乳後期 | 生後9〜11か月頃 | 3回 | 歯ぐきでつぶせる固さ | 食事のリズムを整える |
| 離乳完了期 | 生後12〜18か月頃 | 3回+間食 | 歯ぐきでかめる固さ | 幼児食へ移行する |
この時期や食事回数は、すべての赤ちゃんに当てはまる決まりではありません。
厚生労働省の「授乳・離乳の支援ガイド」でも、離乳食の進め方はあくまで目安とされており、赤ちゃんの食欲や成長、発達に応じて調整することが大切だとされています。
離乳初期の進め方

離乳初期の目安
離乳初期は、生後5〜6か月頃が目安です。
この時期の離乳食は、栄養をたくさんとることよりも、食べ物を口に入れて飲み込むことに慣れることが目的です。
食事回数と固さ
最初は1日1回から始めます。
赤ちゃんが離乳食に慣れてきたら、様子を見ながら2回食へ進めていきます。
食べ物は、なめらかにすりつぶしたペースト状が基本です。
最初は、つぶしがゆなどから始め、慣れてきたら野菜や果物、たんぱく質性食品などを少しずつ増やしていきます。
食材例
- つぶしがゆ(10倍がゆ):最初の食材はこれ。お米1に対して水10で炊き、なめらかにすりつぶします
- にんじん:やわらかくゆでて裏ごし。甘みがあって食べやすい食材です
- かぼちゃ:甘みが強く、なめらかなペーストにしやすい
- じゃがいも:ゆでてつぶし、おかゆやだし汁でのばして
- 豆腐:なめらかにすりつぶし、加熱してから
- 白身魚:たい・ひらめ・かれいなど。加熱してすりつぶし、とろみをつけると食べやすくなります
初期のポイント
- 最初は1さじから始める
- 新しい食材は少量ずつ試す
- 体調のよい日に試す
- 食べられない日があっても焦らない
- 母乳やミルクは、離乳食とは別に飲みたいだけ与える
離乳食を嫌がったり、口から出したりすることもあります。
まだ食べることに慣れていないため、無理に口へ入れようとせず、赤ちゃんの様子を見ながら進めましょう。
離乳中期の進め方

離乳中期の目安
離乳中期は、生後7〜8か月頃が目安です。
この頃になると、舌を上下に動かし、食べ物を舌と上あごでつぶせるようになってきます。
食事回数と固さ
食事は1日2回が目安です。
食事の時間をある程度決めることで、少しずつ生活リズムも整っていきます。
食べ物は、舌でつぶせるくらいの固さにします。
初期のようなペースト状から、少しずつ水分を減らし、つぶつぶした状態へ変えていきます。
食材例
- 鶏ささみ:脂肪が少なく、中期のお肉デビューにぴったり。ゆでて細かくほぐし、とろみをつけて
- 卵黄:固ゆでにした卵の黄身を、耳かき1さじ程度から少しずつ(初期後半から始めてもOKです)
- パン:食パンを細かくちぎり、ミルクなどで煮てパンがゆに。原材料に卵や乳が含まれていないかも確認を
- うどん:やわらかく煮て細かく刻みます。塩分が含まれているので、ゆでこぼしてから使いましょう
- ヨーグルト:無糖のプレーンタイプを選びます
- 野菜:ほうれん草、キャベツ、大根、ブロッコリーなど、やわらかく煮て刻んで
食材の組み合わせ
この頃から、主食・野菜や果物・たんぱく質性食品を組み合わせた食事を意識します。
ただし、毎食すべてを完璧にそろえる必要はありません。
赤ちゃんが食べられる食材を少しずつ増やし、さまざまな味や舌ざわりを経験できるようにしましょう。
中期によくある悩み
- 急に食べる量が減った
- 食べ物を口から出す
- 好き嫌いが出てきた
- 食事中に飽きてしまう
- 2回食に進めるタイミングがわからない
食べる量は、その日の体調や眠さ、授乳のタイミングによっても変わります。
1回の食事量だけで判断せず、数日から1週間ほどの様子で見ることも大切です。
離乳後期の進め方

離乳後期の目安
離乳後期は、生後9〜11か月頃が目安です。
舌だけでなく、歯ぐきも使って食べ物をつぶせるようになってきます。
まだ歯が生えていなくても、歯ぐきを使って食べることはできます。
食事回数と固さ
食事は1日3回が目安です。
食事のリズムを整えながら、赤ちゃんの食欲に合わせて食べる量を増やしていきます。
食べ物は、歯ぐきでつぶせるくらいの固さにします。
指でつまんで軽くつぶせるくらいを目安にするとよいでしょう。
食材例
- 卵白:卵黄に慣れたら、しっかり加熱した卵白を少量から。全卵へと進めます
- 鶏肉:ささみに慣れたら、皮を除いたむね肉・もも肉へ。ひき肉も使いやすい食材です
- 魚:白身魚・赤身魚に加え、鮭やぶり、さば(青魚)なども少しずつ
- 納豆:ひきわり納豆が使いやすく、加熱すると粘りも少なくなります
- 野菜:いろいろな野菜を、歯ぐきでつぶせる固さに煮て5mm角程度に
手づかみ食べも始まります
この時期は、手づかみ食べにも関心が出てきます。
手づかみ食べは、食べ物の大きさや固さを感じたり、自分で口へ運ぶ練習をしたりする大切な経験です。
食卓や衣服が汚れることもありますが、可能な範囲で見守ってあげましょう。
食べ物は、赤ちゃんがつかみやすく、口に入れても危険の少ない形や固さにします。
食事中は必ず大人がそばで見守り、座った姿勢で食べさせてください。
鉄を含む食品も意識する
生後9か月頃からは、鉄が不足しやすくなるため、赤身の魚や肉、レバーなど、鉄を含む食品を意識して取り入れます。
鉄を強化したベビーフードを活用する方法もあります。
毎日完璧に取り入れようとせず、食べられる食品や家庭の状況に合わせて工夫していきましょう。
- 赤身の魚(まぐろ・かつお)
- 赤身の肉、レバー
- 納豆、豆腐などの大豆製品
- 卵黄
- ほうれん草、小松菜などの青菜
- 育児用ミルクやフォローアップミルクを料理に使う
離乳完了期の進め方

離乳完了期の目安
離乳完了期は、生後12〜18か月頃が目安です。
この時期には、1日3回の食事リズムを整え、必要に応じて1〜2回の間食を取り入れていきます。
「離乳の完了」とは?
離乳の完了とは、母乳やミルクをまったく飲まなくなることではありません。
形のある食べ物を歯ぐきでかみつぶし、エネルギーや栄養の大部分を食事からとれるようになった状態を指します。
母乳やミルクを飲んでいるからといって、離乳が完了していないわけではありません。
赤ちゃんの食事量や成長を見ながら、少しずつ幼児食へ移行していきます。
家族の食事から取り分ける
完了期になると、家族の食事から取り分けられるものも増えてきます。
取り分けるときは、
- 味付けを薄くする
- 硬いものはやわらかく煮る
- 赤ちゃんが食べやすい大きさにする
- 食べにくい皮や種を取り除く
などの工夫をしましょう。
大人の料理を作る途中で、味付け前に赤ちゃんの分を取り分ける方法も便利です。
離乳食を進める時の注意

NG食材(誤嚥対策含む)
1歳未満は避ける食材
- はちみつ・黒糖:乳児ボツリヌス症の原因になることがあるため、1歳未満の赤ちゃんには与えないでください。加熱しても菌は死なないので、はちみつ入りのお菓子やパンにも注意が必要です
- 牛乳(飲み物として):1歳を過ぎてから。料理に使う場合は中期ごろから少量ずつ使えます
のどに詰まりやすい食材(誤嚥・窒息に注意)
- ナッツ類・豆(節分の豆など):5歳以下の子どもには食べさせないようにしましょう
- ミニトマト・ぶどうなど丸くてつるっとしたもの:4等分以上に切ってから
- こんにゃく・こんにゃくゼリー・餅:かみ切りにくく、詰まりやすい食材です
- りんご(生):固くてかみ切れないため、離乳食期は加熱してやわらかくしてから
食べる時は、必ず座らせて、大人がそばで見守りましょう。歩きながら・寝転びながら食べさせるのは危険です。
アレルギー食材の進め方
卵・乳・小麦などのアレルギーが起こりやすい食材も、離乳食の中で少しずつ取り入れていきます。心配だからといって始める時期を遅らせても、アレルギーの予防にはつながらないと考えられています。
進める時は、次の点を意識しましょう。
- 1日1種類、1さじから始める ※卵は卵黄耳かき1杯から少しずつ増やす
- 初めての食材は、病院を受診できる時間帯に試す
- 必ずしっかり加熱する(卵は固ゆでの卵黄から)
- 食べた後は、口のまわりや体の赤み、じんましん、せき、嘔吐などがないか様子を見る
すでにアトピー性皮膚炎などで治療を受けている場合や、アレルギーが心配な場合は、自己判断で進めずに、かかりつけの小児科医に相談してから始めてください。
衛生管理と加熱の基本
赤ちゃんは大人に比べて細菌への抵抗力が弱いため、衛生面にはしっかり気を配りましょう。
- 調理の前には手を洗う
- 調理器具・食器は清潔に。まな板は肉・魚用と野菜用で分けると安心
- 肉・魚・卵は中心までしっかり加熱する
- 作り置き・冷凍したものは、食べる前にもう一度しっかり加熱する
- 冷凍保存は1週間程度を目安に使い切る
- 赤ちゃんが口をつけた食べ残しは、もったいなくても処分する
管理栄養士からの大事なポイント

完璧を目指さない(食べない時の対応)
「せっかく作ったのに食べてくれない」――離乳食で一番多い悩みかもしれません。でも、赤ちゃんが食べないのは珍しいことではありません。その日の体調や機嫌、眠さでも食べる量は大きく変わります。
食べない時は、こんな工夫を試してみてください。
- 固さや大きさを1つ前の段階に戻してみる
- とろみをつけて飲み込みやすくする
- 大人がおいしそうに食べる姿を見せる
- 30分ほどで切り上げて、次の食事でまたチャレンジ
体重が順調に増えていて元気に過ごしているなら、1回1回の量を気にしすぎなくて大丈夫です。心配な時は、乳幼児健診や地域の保健センターで気軽に相談してくださいね。ベビーフードを上手に使うのも立派な選択肢です。
食事は楽しい時間
離乳食の時期は、赤ちゃんが「食べることは楽しい」と感じる最初の大切な時期でもあります。「おいしいね」「もぐもぐ上手だね」と声をかけながら、ゆったりとした気持ちで向き合ってみてください。ママ・パパが笑顔でいることが、赤ちゃんにとって一番のごちそうです。
赤ちゃんのペースが最優先
SNSや周りの子と比べて焦ってしまうこともあるかもしれません。でも、離乳食の進み方は一人ひとり違って当たり前です。ほかの子ではなく、目の前の赤ちゃんの「昨日より少しできた」に目を向けてあげましょう。

まとめ
離乳食は、赤ちゃんが母乳やミルク以外の食べ物に少しずつ慣れていく「食べる練習」の期間です。
- 離乳食はゴックン期・モグモグ期・カミカミ期・パクパク期の4ステップ
- 月齢はあくまで目安。赤ちゃんの発達や様子を見ながら進める
- 量・固さ・食材は段階的に。新しい食材は1日1種類・1さじから
- はちみつや誤嚥しやすい食材、アレルギー、衛生管理には注意する
- 食べない日があっても大丈夫。完璧を目指さなくてOK
焦らず、無理せず、赤ちゃんの成長に合わせて進めることが大切です。
この記事が、毎日の離乳食づくりを少しでもラクに、楽しくするきっかけになればうれしいです。
